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不動産業に挑戦!先輩の声 vol.7
~合同会社laf 小森 久子氏~

宮崎県で不動産業を始めたい、興味がある方へのお役立ちコラム。今回は、神官でもある夫・慎也さんとお2人で不動産業を営む小森久子さんをご紹介します。

Q:宮崎での不動産業開業までの道のりを教えてください

A:私は、生まれも育ちも東京です。大学卒業後、東京の不動産ベンチャー企業で5年ほど社長秘書のような立場で総務、メディア対応など社内外のあらゆる業務に関わりました。同じ会社に勤めていた夫と出会い、結婚し、2012年に夫の故郷・宮崎市に来ました。こちらで家探しのためにいくつかの不動産会社を回ってみて、2人の仕事の原点である不動産業ならば、培ったノウハウや2人なりの視点で営業できる!宮崎で不動産業をやってみたい!と思いました。

Q:不動産業との出会いは?

A:東京で家さがしをしていた時に前述した不動産ベンチャー企業の方と知り合い、働きませんかと声をかけてもらったのがはじまり。私が美術系の大学で学んだ「想像、そして創造すること」が、不動産業にどう生かせるかは分かりませんでしたが、ベンチャー(=冒険)ですし、いろいろな経験ができて面白そうだと感じました。宅建士の資格は、その時に取りました。

Q:開業のきっかけは?

A:夫は代々続く神職の家の生まれで、父の跡を継ぎ神主になるために宮崎に戻りました。最近まで宮崎の神社庁に勤めていましたが、私と一緒に不動産業を開業したのは、生活する上で子育てを優先したい、家族の時間を大切にしたいという私たちのライフスタイルを実現するためでした。7年ほど不動産の営業職に就いていた夫の知識や経験を軸に、自分たちと同じ「子育て世代の側に立った不動産業者」を目指しました。

Q:不動産業のやりがいは?

A:「家」は、人が安らぐために戻り、癒やされ、幸せを感じる場所。さまざまな人やご家族の思い出がたくさん詰まった大切な場所でもあります。そんな家ですが、今、住む人を失くした多くの空き家が社会的に問題視されています。私たちは、老朽化して誰も手を出せずにいる空き家をさまざまな方向からサポートする取り組みも行っています。関わった方々がとても喜んでくださるのがうれしいです。

Q:思い出深いお取引は?

A:開業して初めてのお取引で、宮崎市郊外の空き家をご紹介しました。お客さまは、家の立地、環境、それに中の水回りなどをとても気に入ってくださいました。お取引が決まる前、その家の貸主さまが、中に置いたままの荷物の多さや建物の古さを気にされていました。そこも含め私たちが調査、調整し、貸主さまも借主さまも納得できる形でのお取引ができました。誰かの大切なものをさらに大事にしてくれる人にお渡しする、という私たちのコンセプトにピッタリのお取引でした。

Q:営業はどのように?

A:RECなどポータルサイトや自社HP、インスタグラムなど。インスタグラムではイベント告知や日々のつぶやきを。物件をwebにUPする際には、最低限のリフォームに押さえています。すると他企業よりも金額が押さえられますし、募集をかけた時の反応が早い。当然、その後は貸主さま、借主さまとの打ち合わせをしっかり行い、マッチングさせています。

Q:不動産業を営む上で大事にしていることは?

A:お客さまのヒアリングを丁寧に行います。私たちが1番知りたいのは、「こういうのは無理だよね・・・」というお客さまの本音です。無理かもしれない、でもそこを目標に、お客さまにとって最善のお取引にするための努力を惜しみません。

Q:不動産開業に興味のある方にメッセージを!

A:不動産業は人の暮らしを支えるやりがいのある仕事です。今はポータルサイトが普及しているので、始めたい気持ちがあれば年齢は関係ないと思います。未経験でも自分の今までのスキルや経験を、不動産業のどこに生かせるか考えてみたらいいのでは。宅建業協会にはたくさんの同業者がいて、開業セミナーで生の声を聞くこともできます。

お2人のオフィスは、開放的で爽やかな雰囲気。中でも気になったのはシンプルな神棚でした。夫の慎也さんは国富町木脇、赤池神社の禰宜でもあります。赤池神社は勝負事にご神徳があるとか。取材ご協力ありがとうございました。

小森 久子、小森 慎也

【プロフィール】
(右)小森 久子(こもりひさこ)1984年生まれ 東京工芸大学卒業。
前職で培った知識を生かしてイベントを企画、お客さまと業者さまとの間をつなぐ。

(左)小森 慎也(こもりしんや)1981年生まれ 國學院大學卒業。
ある時は不動産業者、ある時は禰宜、そしてサーファー。

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