
COLUMN DETAILS
不動産業に「挑戦したい」「興味がある」なら、ぜひ!
~『令和3年度 第4回 不動産開業支援セミナー』レポート~
(一社)宮崎県宅地建物取引業協会が開催する『不動産開業支援セミナー』。県内で活躍中の不動産業者を講師に迎え、参加者との意見交換などを行っています。今回は3月16日(水)のセミナーの内容を参加者からの質問を主にリポートします。
●講師
・小森 久子さん(合同会社 laf)2021.2.22コラム
・内山 哲郎さん(オフィス花山手龍)2020.9.23コラム
進行:藤山 広子副会長(株式会社ジョイハウス)2020.11.20コラム
運営補助:木田 文男会長

Q:開業後、「食べていける」までにどれぐらいかかりましたか
(小森)正直、まだ大変です(笑)。夫の神主の仕事と兼業です。
(内山)1年目は準備期間でもあり売上はほぼありませんでしたが、2年目からは10件の売買の契約が取れて売上は450万円、3年目はその倍、4年目以降も順調に売上を伸ばすことができました。
Q:1日、あるいはひと月のスケジュールを教えてください
(小森)私の場合、ずっと不動産の営業や関連する仕事をしている感覚がありません。Instagramに画像をUPしたりイベントを企画したりしています。
(内山)私も小森さんと同じで、契約が近づいてくると忙しくなりますが、時間は自由に使えています。この時間にこれをして、というのはありません。

Q:身内が昔ながらの不動産業者。今どきの運営を教えてください
(木田)宅建業協会に入会するメリットのひとつに「豊富な研修制度」があります。以前と違って不動産業で扱う書類は、紙を使わず全てネット上でダウンロードします。そのためパソコンの利用、ネット環境の整備は必須になります。協会ではIT研修も行っていますし、開業した方へのスタートアップ研修など、学びの機会をたくさん用意しています。運営の仕方も研修します。事務局からお知らせが届くので利用してください。
Q:昨年開業し、賃貸、売買どちらをメインにするか考えています
(小森)私は経験のある賃貸から始めました。県外からの移住者で知り合いも少なかったのですが、市が主催する起業者グループで知り合った人からの紹介が最初のご契約でした。その後は徐々に、いただいたお仕事は何でもお受けしています。私は空き家対策に興味があり、空き家と組み合わせて改築して賃貸をして管理業務を行うなどしています。
(内山)開業したてでは選べないと思います。私も売買、賃貸両面で営業活動を行いました。
(木田)無理のないように自分がやりたいこと、得意とするところから始めるといいと思います。ただし、手っ取り早い利益の出し方などは考えないこと。物件によっては見極めが必要な場合があります。それは経験がなければ分かりません。相談にはいつでも乗るので何かの時には連絡してください。

Q:全国宅地建物取引業保証協会(全宅=宮崎県宅建業協会)と、全日本不動産保証協会(全日)の違いは?
(木田)入会時にかかる費用が「全宅」のほうが少し高いが年会費はこちらが安いこと、会員数が不動産業者の8割を「全宅」が占めることでしょうね。事業内容はあまり変わらないと思います。「全宅」は、各支部で予算を決めることができるので、何かの取り組みを行う場合の対応が早いです。さらに、会員数が多いということは、それだけ集まってくる情報量も多いと言えます。新規開業者へのサポートに力を注げるのも、経験豊富な会員が多いからだと思います。
(小森)会員同士のサポートは、本当です。すごく助かっています。皆さん、え!ってこと、何でも教えてくれるんです(笑)。ありがたいです。
Q:開業してどれぐらいで銀行の融資を受けられますか
(内山)金融機関によって審査基準は異なりますが、一般的には3年間は信用を付けるために利益を出すよう頑張って、4年目で融資審査に必要な決算書類がそろうというスケジュールだと思います。
(木田)法人で2年、黒字を出したら3年目でも融資してくれる金融機関があると聞いたことがありますが、無理のないように。先ほどもお話ししましたが、開業したらまず自分の得意分野で営業してみてください。ちょっとのきっかけで仕事の幅が広がるし、不動産業は「これをしなきゃ」「こうしなきゃ」という仕事ではありません。ご自分のアイデア次第で伸びる、飽きのこない仕事です。
Q:個人、法人どちらがよいか?
(事務局)求める売り上げの金額によると思います。大きい金額を目標とするならば法人。動きやすいのは個人。税金面でもそれぞれメリット、デメリットがあるので目標を定めて考えてみてください。

Q:大手のフランチャイズに加盟したほうがいいか迷います
(木田)私の場合は社員が増えたのでフランチャイズに入りました。フランチャイズのよい点は、会社運営のため社員研修の仕組みがしっかりしていることだと感じています。事業規模を考えて、大手の仕組みを導入したほうがよいかを決めたらよいと思います。
Q:開業のタイミングは?
(小森)私は夫の仕事が休みがなく、子どもとの時間が取れなくなったことで決めました。
(内山)やる気ひとつ!動けるときに動く!
(藤山)ないと思います。先のばしにするタイミングこそ、ない!
(木田)実はコロナ禍で不動産業だけは業績が伸びているのです。家で過ごす時間が増えて、住まいを見直す人が増えたという話しを聞きました。大変な方も多いのですが、不動産業は売買も建築も増えていて追い風なのです。
(事務局)開業する方の人数と同じくらい、年配で廃業を考えている方もいます。その方が持っている物件や人脈を継承するというやり方もあります。そんな情報も横のつながりがあってこそなので、ぜひ、また開業セミナーなどをご利用ください。

皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございました!